俎板の上のナーベラー♪
なんだか水鳥みたいな形だ〜。
■ 8月25日(水) 晴れ時々曇り ■
 先週後半からウェブデザインの仕事が入ったので、一日中PCに張り付き状態で体中が痛い・・・。特に背中と右腕。あー、また腱鞘炎がぶり返すかも・・・。VICKI'sの仕事と平行してやっていると気分転換になるのだが、それこそずっと仕事している状態でヴィッキーはかなーり退屈そうだ。
 てっちんは9月の半ばからシアトルに出張する。日程が確実になったのだが、今回は7週間だ。途中で私も遊びに行くつもりだし、キッチン付きの長期滞在用ホテルを予約してもらおうっと。スーパーや市場でいろいろ買い物して、料理するのが楽しみだなぁ。
 この前、花園の道の駅で珍しくヘチマが売っていた。関東ではヘチマというとタワシとか化粧水とかしかなじみがないけど、沖縄ではポピュラーな食材なのだ。沖縄ではナーベラーと呼んでいて、あまり育っていない実が食用になる。あちらで売っているナーベラーとは品種が違うのかもしれないが、普通のヘチマでもほとんど味は変わらない。これの皮を向いて2cmくらいの輪切りにして、味噌炒めにしたり、少量のカツオだしで炒め煮して卵とじにしたりする。ちょうときゅうりとなすの中間のような食感で、とろとろツルリとしていて美味しい。さて、今日はどうやって食べようかなぁ。

大好きなオレンジ棒を咥えてウヒョヒョ〜。
こういうトコロもまだまだパピーのようだ。
■ 8月22日(日) 晴れ ■
 北海道から帰って来て、あっという間に一週間が経った。ヴィッキーもすっかり普段の生活に戻って、昼間は退屈そうに寝ている時間が長い。人間は休み明けだと、なんかボォ〜っとしてしまってなかなか仕事に身が入らなかったりするのだが、ワンコはあまり関係ないみたいだ。
 7月のアタマ、てっちんがシアトルに出張している時に、私とヴィッキーだけで長瀞に早朝遊びに行ったのが楽しかったので、今度はてっちんも一緒に行ってみることにした。ヴィッキーの水遊びのため、というのは口実で本当は人間が遊びたいのだ。5時過ぎに起きて朝ご飯を買って、速攻で長瀞へ。前回、グッドポイントを見つけておいたので迷うことなく6時半頃には到着してしまった。
 ヴィッキーは車で出かけるとき、ナビをしかけると遠出だと理解しているのか、さっさと寝てしまう。そしてナビの「目的地周辺です。」という音声に反応して飛び起きるのだ。ところが今日はグーグー寝ていて河原に降りていくまで気付かず、車を停めてどこに来たのかがわかった途端、大騒ぎ。なんだか今まで聞いたことのないような、『キュワァワァ〜〜ン!』という声を出して身悶えしていた。
 夏休みもそろそろオシマイとあって、長瀞の普通の河原なのにテント張ってキャンプしているファミリーが結構いた。そういう人々を避け、ヨギヨギポイントに行ってめいっぱい遊ぶ。水量は前回より減っていると思うが、かなり流れが速く、私も太ももあたりまで川に入ってみたのだが、時々足を持っていかれそうなほどだった。
 2時間くらいたっぷり遊んで、足がプルプルになったヴィッキーを車で休ませていたら、カヤックやダッキー、ラフトボートを積んだ車がゾクゾクとやってきた。ここは関東で一番近いカヤックフィールドなのだ。ちょこっと見学してから河原を後にする。関越の花園ICに乗る手前に道の駅があって、ここでは産直野菜が安く買えるので寄ってみた。採りたての新鮮野菜が市価の半分くらいだ。またまたタップリ買い込んで、ホクホクして帰った。家に着いたらまだ11時。ああ〜、有意義な休日だなぁ。

15日に函館で見た夜景
遠くに花火も上がっていて、きれいでした。
■ 8月16日(月) 晴れ時々曇り 一時雨 ■
 午前1時40分に青森港に着いて、そのまますぐ東北道に乗る。ETCの深夜割引があるので、夜中に高速に乗るとオトクなのだ。少し走って津軽PAで仮眠を取ることにした。ところが思いのほか熟睡できて、目が覚めたら7時半だった・・・。こんな時間になってしまったので、ついでにしっかりと朝ご飯を食べ、出発したのは9時近かった。(笑)
 青森〜秋田〜岩手と順調に走ってきたのだが、福島に入る手前くらいから渋滞が始まった。東北道は普段使っても郡山くらいまでなので、どこでどれくらい渋滞が起きるのかまったく予想ができない。12km、30km、23km、45km(!)となんども激しい渋滞に遭遇し、随分時間がかかってしまった。月曜日だったらあまり渋滞していないだろうと読んでいたのだが、甘かった・・・。家に着いたのは夜の9時過ぎ。いったい何時間高速道路上にいたんだろうか。
 昨日あたりからてっちんの親知らずが疼いてきて、今日はかなり痛みがあるらしい。助手席にいると痛みに集中してしまうので運転していた方がまだマシ、ということで、最後に休憩した安達太良から埼玉の我が家まで、てっちんの運転でノンストップできてしまった。今年のお正月に私がヒドイ目にあった奥歯の痛みと、どうも同じ症状らしい。だとするとほっとくとタイヘンなことになるので、明日の朝イチで歯医者に行かせなくては・・・。
 北海道の海・山・川・湖で遊んだ8日間、怪我もなく無事に帰ってこれてヨカッタ。結構スリルもあったし、てっちん的には最後は辛かったんだろうけど、本当に充実した夏休みでした。さぁて、次はどこに行こうかなぁ。(笑)

積丹岬の島武意海岸を見下ろす。
次はここをシーカヤックで回りたい。
大沼公園を散策。
おすまししてるけど、泳ぎたい〜。
■ 8月15日(日) 曇りのち晴れ 一時雨 ■
 いよいよ北海道最終日。本当にあっという間の夏休みだった。朝、晴れてはいるが遠く沖の方で雷の音が聞こえた。雨が降ってくる前に急いで撤収しなくてはならない。朝ご飯はトラメジーノでホットケーキを焼いた。ここのキャンプ場は、サイトになっている砂浜から駐車場まで15段くらいの階段を上がらなくてはならない。テントを張る時できるだけ荷物は減らしたのだが、それでも何往復かしなくてはならず疲れた・・・。サラサラの砂浜を重い荷物を持って歩くのは大変なのだ。
 なんとか雨が降る前に撤収を終え、積丹岬の裏にある島武意海岸を見に行った。キャンプ場からわずか10分くらいの場所だが、ここに着いた時には雨が降ってきた。撤収、間に合ってよかった〜。島武意海岸は『日本の渚100選』に選ばれている美しい海岸だ。小山のような岩山が海からいくつも聳え立っている。海底は白砂らしく、展望台からみると海の色はコバルトブルーに見えた。小雨交じりで寒かったのだがシュノーケリングしている人がいた。ここに潜ったらさぞかし綺麗だろう。機会があったら今度はここをシーカヤックで回ってみたい。
 積丹半島を南下して泊、岩内と抜けて行くうちに、物凄い土砂降りの雨に見舞われた。断崖に波が砕ける荒々しい光景は、冬の厳しい時期を想像させる。豪雨の中を車を走らせて、寿都で日本海から離れる頃、途端に青空が広がった。さっきまでの土砂降りが信じられないような、青い空と入道雲。なんだか不思議な天気だ。
 北海道のゾウの鼻部分を横切って、長万部で太平洋側に出る。積丹の海は深い群青色だったが、太平洋側の海は緑がかった明るいブルーだった。長く真っ直ぐ続く海岸線に沿った道を、函館に向かって南下する。内浦湾の向こうに駒ケ岳がうっすらと見えていた。
 函館に入る、駒ケ岳を過ぎて大沼公園に寄っていくことにした。駒ケ岳や麓の大沼・小沼一体が国定公園に指定されている。大沼公園は、大沼に浮かぶ小島を廻るような形で散策路が作られていた。沼なので水は綺麗ではないのだが、やっぱりヴィッキーは突っ込んでいこうとしていた・・・。まぁヴィッキーにとっては、水の綺麗さということはあまり関係ないのだろう。前へ前へと行こうとするヴィッキーは、10mおき
に叱られていた。
 1時間半くらいかけてゆっくりと散策をし、夕方函館に到着。北海道最後のご飯は何にしようかと思ったが、ラーメンが食べたい!と意見が一致して函館ラーメンを食べにいった。五稜郭近くの『あじさい』という店に入ったが、アッサリした塩味でとても美味しかった。フェリーに乗る前に函館山から函館の夜景を見ようと思って行ったら、この季節は17時〜22時は自家用車は入れないというではないか。ケーブルカーではヴィッキーが乗れないし、「じゃあいいや!」と半分拗ねて引き返す。かわりに立待岬というところに行ったら、ここからでも十分夜景が堪能できた。イカ釣り船がたくさん出ていて、その向こうにかすかに下北半島の灯かりが見えた。そのうち、花火があがった。函館から見る青森の花火だ。
 岬を後にして細い道を登っていったら、ヘッドライトにキタキツネが照らし出された。少し離れたところに、ちいさな動物が動いていた。子ギツネかと思っていたら、そのうち親ギツネが置き去りにして離れていってしまった。どうして?とよくよく見たら、なんと生後何日にもならないような子猫だった。しかも片目がつぶされていた・・・。多分、あのキツネに狩られかけたんだろう。北海道では子猫もおちおちしていられないのだ。あのコはこの先、生きていけるんだろうか。
 夜10時出航の東日本フェリーで青森へ。楽しかった北海道旅行、今回も思いっきり遊びたおしたなぁ。

昨日とはうって変わっての快晴。
ヴィッキーも出艇を待ってスタンバイ。
神威岬下の浜に上陸してランチタイム。
太陽に輝く、これぞ積丹ブルーの海。
岬の展望台から見下ろした神威岩。
屹立する岩は10階建てビルより高い。
■ 8月14日(土) 晴れ ■
 本日は朝から快晴!今回の旅の前に購入したトラメジーノでホットサンドを作ってしっかり腹ごしらえし、シーカヤックに備える。最初の計画ではキャンプ場前の遠浅のビーチから出艇しようと思っていたのだが、打ち寄せる波が思いのほか荒いので、静かな場所を探してそこから出ることにした。一昨日から積丹にいるので、良さそうな場所は大体見当がついている。
 スタート地点にしたのは、イカ釣り船の基地のようになっている小さな漁港。ちょっとだけ砂浜になっている場所があって、本来は海水浴場ではないのだが、そこにもテントがたくさん設営されていた。漁協前の小さな芝生の公園にも一面にテント。『キャンプ禁止』の立て札があるのだが、皆さんまったく意に介していないようだった。
 カヤックを車から降ろし、砂浜で組み立てる。前に使っていたカヤックでも何回か海を漕いだことがあるが、その時にはラダーが無かったので流されたりすると方向修正が大変だった。今回はオプションでラダーをつけたので、その威力を試すのも楽しみなのだ。炎天下汗だくになって準備を整え、出艇したのはすでにお昼に近い時間だった。海水浴客が見守る中、ヴィッキーを真中に乗せて出発。防波堤を越えて積丹ブルーの海へ漕ぎ出した。
 千歳川の時は障害物を越えるのに忙しく、のんびり景色を楽しむヒマも無かったが、海を漕いでいくのはとても楽しい。広い海はどこを通っても良いし、海面すれすれに隠れているような根にだけ気を配れば、あとは気の向くまま、遠くの目標物を目印にマイペースで進んでいける。まだまだカヌー犬としての修行が足りないヴィッキーは、川や湖で岸が近いと鼻笛をならしたりするのだが、海では岸ははるか遠くなので観念するのか、比較的落ち着いている。そうはいっても相変わらずオシリの座りが悪く、後ろにのっているてっちんの膝に腰掛けたり、カヤックの縁に『ハコ乗り』したりしていた。
 1時間ほど漕いで神威岬下の浜に上陸。12日の写真の、ちょっと窪んだ部分だ。一昨日歩いた神威岬の遊歩道を、シーレベルから見上げる。下から見ると断崖の物凄さがより実感できた。日差しがきついのでシートで即席の屋根を作り、その下でランチタイム。陸側からはなかなかこれない浜だけに、何だか無人島生活をしているようで面白かった。ここでもハングルが書いてある漂流物を発見。きっと親潮に乗って流れ着いたんだろう。
 この浜を端まで歩くと、昔使っていたという手堀りのトンネルがある。測量技術が未熟だったためか、両側から掘り進んだもののだいぶずれてしまって、内部でZ字状にクランクしている。中に入ると真っ暗で、手探り足探りで歩いて、断崖の反対側に行ってみた。本当に真っ暗なのにヴィッキーにはちゃんと見えるのか、どんどん走っていってしまう。犬には、暗くて怖いという感覚はないのかな。
 探検を終えて再びカヤックに乗り込み、神威岬の先の海上に屹立する神居岩を目指すことにした。浜に打ち寄せる波が荒くてヴィッキーを乗せるのに苦労してしまう。ようやく引っぱりあげられたヴィッキーは腰が抜けたのか、しばらくは大人しく座っていた。神威岩に向かって漕いでいたら、はるか頭上の展望台から手を振っている人がいた。普通は上から眺めるだけの神威岩に近づけるのは、シーカヤック乗りの特権だな。岬の反対側にも行ってみようかと思ったが、そちら側は波が高くて断念した。
 4時過ぎに漁港に戻り、カヤックをばらして水洗いしていたらエラク時間がかかってしまった。今日も夜はお店で食べることに。ところが超繁忙期のためか、食べ物屋も品薄状態。行ったり来たりして何とか食事可能なお店に行き当たった。刺身定食とホンマグロの鉄火丼。美味。お風呂に入ってからキャンプ場に戻ったら、さらにテントの数が増えていた・・・。それでも我が家のテントの横は空いていたので、焚き火をしながら満点の星を眺める。ちょうど流星が多いタイミングだったので、ボンヤリ空を見上げていると何個も流れ星を見ることができた。さて、明日はいよいよ北海道最終日だぁ。

生憎の荒天でシーカヤックはオアズケ。
キャンプ場前の浜に打ち寄せる波は、結構荒い。
雨の降りしきる森の木道を歩く。
こういう場所は雨もまた良く似合う。
■ 8月13日(金) 曇り時々雨 ■
 明け方、雨音で目が覚めた。「あ〜、雨だ・・・。」と思い、少しだけテントの中でグズグズする。それでも6時過ぎに外に出てみると、雨だけでなく風も結構吹いていて、沖のほうに白波が立っていた。天気予報によると今日は1日雨まじりらしい。明日は晴れだということで、旅の予定を変更しシーカヤックは明日にかけることにする。そうなるとここに1泊余計に泊まり、最終日は一気に函館に向かうことになるが、まぁいいだろう。
 昨日作ったカレーの残りに、ご飯の残りと焼きソバの中華麺をぶつ切りにしていれて、ドライカレーとソバ飯のアイノコのようなものを作って朝ご飯にした。今日の予定は特に決めないまま車で出発。帰ってきたらきっと停めるスペースはないだろうけど仕方ない。
 昨日は半島の北東側を回ってきたので、今日は南西側を通って見ることにした。神威岬を通り過ぎ海沿いの道を南下する。こちら側は特に断崖が続き、道路工事もなかなか進まず、半島を周回する道路が完成したのは平成8年だそうだ。それ以前は陸の孤島状態だったので集落もなく、漁師の番屋が建っているだけの寂しい風景だ。
 少し走って盃という地区に差し掛かったら小さな海水浴場があった。今泊まっているキャンプ場前の浜は波が荒かったが、こちらの海水浴場は入り江になっていて穏やかだったので、ヴィッキーを少し遊ばせる。水は海とは思えないほど透明で、喜んで飛び込んだヴィッキーもショッパクてびっくりしたんじゃないだろうか。
 海水まみれのヴィッキーをペットボトルに汲んだ真水でチャッチャッと洗い、また車を走らせる。10日に行けなかった神仙沼に行こうということになり、またニセコに向かうことになった。半島付け根の岩内市内でお昼ご飯にする。焼き魚定食800円は、海の幸が豊富な積丹半島らしく8種類くらいの魚からチョイスできた。てっちんはサーモンハラス、私はニシンを選んだ。焼き具合が絶妙で、とても美味しかった。
 神仙沼入り口の駐車場に着いた時には雨が本降りになっていた。レインコートと長靴の完全武装をして、森の中の木道を神仙沼まで1kmほど歩いた。この辺りは湿原になっていて、大小いくつもの沼が点在しているのだ。神仙沼を見ているうちに山から霧が降りてきて、あっという間に辺りは真っ白な世界になってしまった。幽玄な沼の雰囲気に濃密な霧がよく似合っていた。木道を引き返し、長沼という別の沼にも足を伸ばしてから車に戻った。
 その後、ニセコから日本海に注ぐ尻別川沿いに走って海岸線に出て、北上してキャンプ場に戻る。途中、雷電温泉というところでお風呂に入った。お肌がスベスベになる美人の湯ということだった。(笑)再び岩内市街に差し掛かったころには7時を回っていたので、晩ご飯を済ませることにした。ここ数日魚介中心だったので、本場のジンギスカンを食べてみた。私もてっちんもちゃんとしたジンギスカンを食べたことがないので、お店の人に教わりながら食べたが、生の特上ラム肉は癖が無く柔らかくて、とっても美味でした。

白樺の木立の間に構えた我が家。
シンプルで美しい、良いキャンプ場でした。
神威岬から見る、積丹ブルーの海。
荒々しい断崖絶壁・奇岩が厳しさを物語る。
■ 8月12日(木) 晴れ ■
 2泊したドロームキャンプフィールドは、不便さが心地よい静かな良いキャンプ場だった。オートキャンプ場では無いので、車はテントを張った場所に近い通路上に停めなくてはならず、最近は車で寝かせることが多いヴィッキーも、一緒にテントで眠った。毎日良く遊んでいるので、テントの中のクレートに入れるとすぐに丸くなって眠ってしまう。ヴィッキーも数日間のキャンプ生活にすっかり慣れてきたようだ。
 朝ゆっくりとテントを撤収して、10時前くらいにキャンプ場を後にした。日本海側の余市の町を経由して積丹半島の取っ掛かりに入る。積丹半島は北海道の『ゾウの鼻』の付け根に角のように飛び出している部分で、断崖絶壁の海岸線が続いている。透明度が高く群青色に輝く海の色は『積丹ブルー』と呼ばれるほどだ。今回の旅では、「湖・川・山」ですでに遊んだので、最後のイベントとしてその積丹ブルーの海をシーカヤックで漕ぎ渡ってみたい。
 ウネウネとした海岸線に沿って続いている道には、いたるところにトンネルが掘られている。平成8年に大規模な岩盤崩落があり、20人もの犠牲者を出した豊浜トンネルを抜ける。ニュースで見た雪の中の崩落現場の映像が、頭の中に浮かんだ。今は海岸線より少し内側に、新しく大きいトンネルが作られている。あの事故の後、古く危険なトンネルは殆どが新しいものに作り変えられたらしく、出入り口をコンクリートで塞がれた小さなトンネルをあちこちで見かけた。
 美国の町でお昼ご飯を食べ、半島の二つの岬、「積丹岬」と「神威岬(かむいみさき)」の間にある野塚野営場を目指す
。2時過ぎ、キャンプ場に着いてみるとビーチに物凄い数のテントが張ってあった。駐車場も満車状態・・・。車の殆どが札幌ナンバーだ。推測するに、地元の人たちが短い夏を楽しもうと大挙してココに繰り出して来ているのだろう。小樽から1時間ちょっと、札幌からでも2時間くらいで美しい海辺で遊べるのだから、無理も無いけれど・・・。砂浜のキャンプサイトには、二重三重にテントやリビングシェルが設営され、子供たちは海で遊び、大人たちはBBQを楽しんでいる。さて、我々はどうしようか。
 一応もう1箇所のキャンプ場を見に行くが、どうもピンとこない。結局どうするかは先送りにして、まずは神威岬を見に行くことにした。神威岬の駐車場に車を停め、そこから岬の先端まで狭い遊歩道を歩いていく。遊歩道は岬の尾根上に作られていて、左右は断崖絶壁だ。道が作れない部分にはメッシュ状の板が渡してあって、下が透けて見えるので結構スリルがある。ヴィッキーはかなりへっぴり腰になって恐る恐る歩いていた。(笑)岬の先端までは1.5Kmほどで、そこには灯台と展望台があった。展望台から見る水平線はわずかにカーブしていた。
 6時近くに再び野塚野営場に戻ると、かなり車の台数が減りビーチでも撤収している人たちがいた。一段高くなった場所にスペースが出来たので、そこにテントを設営することにした。目の前の海は遠浅なのだが波が思いのほか荒く、夜になると波音がドォォ〜ンと大きく聞こえる。打ち上げ花火をしたり宴会したりしているグループがいたが、波音がいい感じにホワイトノイズ化していたので、ほとんど気にならずに眠ることができた。さて、明日はいよいよシーカヤックだ〜。

ヴィッキーの初登山はニセコアンヌプリ。
後になり先になりして、ちゃんとついてくる。
2時間かけて頂上に到着〜♪
他の登山客に、エライね〜と言われてご満悦。
■ 8月11日(水) 晴れ ■
 旅のテーマ、湖と川は無事クリア(?)したので、次は山だ。今日は予定通り、ニセコアンヌプリの登山にヴィッキーも一緒に挑戦だ。6〜7年くらい前、スキーで来たことのあるアンヌプリ。スキー場とは山を挟んでちょうど裏側になる五色温泉から登ることにした。温泉の『ニセコ山の家』でマップをコピーしてもらい、身支度を整えて10時半登山スタート。アンヌプリは標高1308m。五色温泉からのルートだと、登りが1時間半から2時間くらいの行程だ。
 ヴィッキーに熊避けのベルを付け、リードを外して登り始める。ヴィッキーにとっては初めての登山だが、少し先に行っては立ち止まって待っていたり、また戻ってきたり、と楽しそうに山道を歩いていた。登山道を外れることも無く、なかなか優秀な登山ぶりだった。(笑)すれ違う登山客も、ヴィッキーを見て「えらいわね〜。」とか「ワンちゃん、頑張って〜。」とか声をかけてくれた。森林限界を超えて眺望がきくようになると、遠く海が見えた。最初は南側の内浦湾(噴火湾)や洞爺湖が見え、標高が上がるに連れて北の積丹半島側も見えてきた。
 久しぶりの登山だったので景色を楽しみながらゆっくり歩き、2時間くらいで頂上に到着した。頂上手前ではガレ場の急斜面が続き、結構タイヘンだった・・・。頂上で記念撮影をしてお昼ご飯。羊蹄山の頂上は雲に隠れていたけど、360度の眺望は実に見事だった。同じ場所にスキーの時に立ったことがあるけど、当然のことながら全然景色が違う。スキーではゴンドラやリフトで上がってこれるが、今回はヴィッキーも一緒に歩いてきたので感慨深いものがある。
 頂上で1時間くらい過ごし、来た道を下る。登りは息が上がって苦しくなるが、下りは踏ん張る足が疲れるのだ。大きな石と滑りやすい砂礫混じりの道なので、何度かつまずきシリモチまでついてしまった・・・。1時間半で登山口まで戻ってきた。ヴィッキーは相変わらず元気だったが、車についたらすぐに寝てしまった。やっぱり疲れたんだなぁ。
 ぐっすり寝ているヴィッキーを日陰に停めた車に残し、人間は五色温泉で汗を流した。温泉宿のすぐ裏手がイワオヌプリ山麓のお花畑を眺める展望台になっていて、たぶんそこから露天風呂が丸見えだったと思う。女風呂のほうにはアバウトな衝立ての目隠しが作られていたが、男風呂のほうには何もなかったらしい。展望台の人もビックリするだろうなぁ。
 お風呂の後、60kmくらい走って夜の小樽に行った。『ふじ鮨』というお寿司屋さんで、積丹半島の海の幸を堪能。生サンマ・活タコ・ボタン海老・岩牡蠣・ウニetc・・・。特に積丹のウニは有名らしく、ムラサキウニとバフンウニの食べ較べまで出来た。久しぶりに本当に美味しいお寿司で大満足!小樽まで足を伸ばしてよかった〜。ご飯の後、夜の小樽の倉庫街や歴史的建造物を見て歩く。9時過ぎまでブラブラして、40Kmの道のりをキャンプ場に戻った。今日も1日、よく遊んだなぁ。

テント撤収後、支笏湖に別れを告げる。
ヴィッキーが泳ぐ姿に、キャンパー達の歓声が。
蝦夷富士・羊蹄山はとても美しい。
裾野も広く、雄大な風景。
■ 8月10日(火) 晴れ ■
 昨日のハプニングで必死に重いカヤックを引っ張ったりしたので、朝から上腕や胸の筋肉が痛い・・・。ショートパンツでブッシュを藪漕ぎしたので、脛も引っかき傷だらけだ。今回の旅はどうもワイルドになりそうな予感がする。昨夜は学生グループが深夜まで騒いでいて、アタマに来て怒鳴り込んでしまった。湖にしろ海にしろ、水の近くのキャンプ場にはこういうヤカラが往々にしているのだ。あ〜、ヤダヤダ。
 今日は支笏湖を後にし、羊蹄山を廻ってニセコに移動する予定だ。テントを撤収後、最後に一泳ぎして支笏湖に別れを告げる。ルスツのスキー場の前を通り、真狩村へ。真っ青な空と白い雲をバックに、羊蹄山が悠然と聳えていた。麓のキャンプ場や公園には『ペット禁止』という看板が立っていた。私が持っているキャンプ場ガイドでは犬OKとなっているのだが、やっぱりマナーが悪い飼い主が多かったんだろうか・・・。
 羊蹄山の麓で少しだけ遊び、ニセコパノラマラインを通って神仙沼にでも行こうかなぁと車を走らせた。途中、今夜泊まる予定の湯元温泉野営場の前を通ったので、中を確認しようと思ったら、なんと!閉鎖中だった。トイレや炊事場など水回りの施設が壊れてしまったらしい。ニセコ周辺で貴重な犬OKのキャンプ場だったのに、これはイタイ。で、急遽他のキャンプ場を探すことになった。閉鎖中の野営場前の看板に2箇所のキャンプ場の案内が書いてあった。が、そのうち1箇所は犬禁止。もう1箇所を見に行ったが、今ヒトツだった。
 結局、ニセコとはだいぶ離れるが、赤井川にあるドロームキャンプフィールドに行くことにした。すでに2時を回っていたがお昼を食べていなかったのでどうしようかと思いながらニセコ比羅夫の集落に差し掛かった。ふと目にとまったカフェの看板にピン!ときて行ってみると、テラスだったら犬も良いですよとのこと。『B's CAFE』というお店で遅めのランチにした。お店のお姉さんがヴィッキーを見て、「あ〜、フラット
だ。このコは小さいですね。」と話し掛けてきた。聞いてみるとお友達の家でフラットを2頭飼っているとのことだった。お店の雰囲気もヨカッタし料理も美味しかったし、やっぱり今回もハズさなかったな。(笑)
 最初、泊まるつもりだった湯元温泉野営場は無料のキャンプ場なのだが、ドロームは1泊2100円。我が家にしてはかなり高いキャンプ場だ。個人経営のキャンプ場で、白樺の林と芝生が美しい良いところだった。裏には沢が流れ、設備も最小限。街灯も無いから夜は星がさぞ綺麗だろう。きっとこういう場所なら騒ぐバカどももいないに違いない。そう考えると2100円もリーズナブルかな。
 受付のとき、オーナーが「一番近い店まで10Kmです。」と言っていた。(笑)夕方、その10Km離れた赤井川温泉まで行って公園でヴィッキーと遊び、お風呂に入って買い物して帰った。満点の星の下で焚き火をしながらゆっくりをご飯を食べた。今日はぐっすり眠れそうだな。

千歳川の水はとてもキレイ。
途中でカヤックを降りてヨギヨギタイム♪
川幅いっぱいを塞いでいる倒木。
浅そうに見えるが、水深は2m以上ある。
何故か林の中に置かれたカヤック・・・。
このハプニングでかなり時間を費やしてしまった。
■ 8月9日(月) 晴れ ■
 朝5時半前に起きて、ヴィッキーとキャンプ場内をオサンポ。朝もや煙る支笏湖で、朝飯前の水泳をしてヴィッキーも嬉しそう。朝ご飯を食べて、キャンプ場にテントを残し、今回の旅のメーンイベントその1のリバーカヤックをするべく、千歳川に向かう。今回の旅のテーマは『海・山・川・湖で遊ぶ』なのだ。(笑)
 千歳川は支笏湖から流れ出し、千歳市内を流れて石狩川と合流し、日本海に流れ込んでいる川だ。今回漕ぐ予定のルートは、千歳市内の5Kmくらいの区間。スタート地点にカヤック一式とてっちん&ヴィッキーを残し、私は市内までお昼ご飯を調達しがてら、上陸地点や流れの激しい場所などをチェックする。
 今回持ってきたのは、GW前に新しく購入したおニューのカヤックだ。オプションでラダーを取り付ければシーカヤックになる。GWの九州では水不足で川下りを断念したので、今日が進水式なのだ。前に使っていたカヤックとは、パーツも組み立て方も異なるので、ちゃんと取説を見ながら慎重に組み立てる。準備が整ってスタートしたのは、そろそろ11時になる頃だった。
 千歳川は上流にダムが何箇所かあって水量調整しているので、渇水の心配は無いのだが、思いのほか流速が速くノンビリしている間もなくどんどん流されていってしまう。水はビックリするほど透き通っていて、浅い場所では水底で流れにたなびいているバイカモ(梅花藻)が見えてとても綺麗だ。それ程広くない川幅の左右から、木が枝を伸ばしていて緑のトンネルを作っている。できれば写真でも撮りたい程の美しい景色なのだが、そんなことしようものならたちまちカーブの外側に張り付いてしまうほどの流れの速さだった。
 久しぶりのカヤックにヴィッキーも腰が落ち着かずフラフラするので、よどみになっているところにフネを寄せて、一時泳がせる。ペットボトルを投げてやったら、最短距離で取りに行きたかったのか、カヤックを乗り越えて行こうとして参った。やっぱりヴィッキーは、何かに集中すると他のものは目に入らないらしい・・・。
 ちょっとだけ遊んだ後、再び流れに乗って進む。橋の下を潜り、カーブを抜けると次のカーブの頂点付近で左から枝が張り出しているのが目に入った。そのままだとその枝に突っ込む〜と焦ってパドルを動かすが、流れに乗ってどんどん近づいていってしまう。ああ〜、突っ込むな、と観念したら、なんとその先、川幅いっぱいを倒木が塞いでいて通行不可能な状態になっていた。張り出した枝から倒木まで10mあるかないか。あの倒木に引っかかったらどういうことになるか・・・と思う間もなく、手前の枝に絡め取られるようにしてフネがひっくり返る。ヴィッキーが無事に脱出したことはチラッと見えた。そのあとすぐに倒木に引っかかった。私が一番川岸から離れた位置で引っかかったので足は全く付かず、速い流れに体は倒木の下にもっていかれそうになり、辛うじて顔は水面に出ているのだがしぶきがかかってかなりツライ状態だった。このままではまずいと思って意を決して一度潜り、倒木の下を通って反対側に顔を出したら、何とか体を引き上げることができた。
 倒木はV字状になっていて、ヴィッキーもその又の部分で止まっていた。幸いカヤックも2本のパドルも流されていなかったので、まずはなんとかカヤックを倒木の上にあげ、そのあと川岸に引き上げた。上陸して調べたら、丁度ヘアピンカーブ状になっている場所で、ブッシュを数m進むとヘアピンの反対側に出れることが判った。そちら側はだいぶ浅そうだった。もしかしたら無理に逆らおうとせずに、流されちゃった方が楽だったかもしれなかったなぁ。てっちんとふたり、必死に重いカヤックを運搬してる間、なぜかヴィッキーは嬉しそうにブッシュを走り回っていた・・・。去年、四万十川で沈したときもヴィッキーは嬉しそうだった。うーん、みんなでずぶ濡れ状態が楽しいのかなぁ。
 千歳川はこの後も2箇所ほどスリルがある場所があったが、事前にわかっていたところだったので、それなりに対応して通過した。3時前に市内の緑地公園みたいな場所でゴール。てっちんがカヤックをバラす間、ヴィッキーは公園でBBQをしていた地元の若者に遊んでもらっていた。私はタクシーで車をデポジット。タクシーで1260円分にしかならない距離だったのに、随分アドベンチャー気分を味わうことになってしまった千歳川だったのだ。

八戸を朝出航するシルバークィーン。
ヴィッキーは車の中で7時間待機。
■ 8月8日(日) 晴れ ■
 昨日から夏休みに突入。今年は去年のリベンジで北海道旅行を計画しているので、昨日までの1週間はとても忙しかった。出発ギリギリまでお洋服作りに精を出し、夜10時半に家を出た。夜中の東北道をひた走り、朝6時過ぎに八戸フェリーターミナルに到着。去年、台風のせいで欠航となってしまったシルバークィーンに、今年は無事に乗船できた。
 八戸〜苫小牧航路を運航している川崎近海汽船は、ワンコ連れ旅行に理解がある。船内に犬は連れて行けないが、受け付けの時に犬連れであることを告げると、車も換気の良い場所に誘導してくれるし、船内も清潔でキレイ。昼間移動する航路なので、時間的には勿体無い気もするが、これからも使いたいフェリーだった。
 約7時間の船旅で苫小牧に午後4時頃上陸。今日は支笏湖畔の美笛野営場でキャンプの予定なので、一路支笏湖に向けて走る。苫小牧市内を抜けると、後は真っ直ぐで左右に森が広がる道が続く。支笏湖の湖岸に沿ってしばらく走り、美笛野営場に5時ごろ到着した。
 うっかりと買い物をせずに来てしまったのだが、近所に店などまったくなく、管理人さんに聞くと20Km近く戻らなくてはならないらしい。キャンプ場の売店が6時までやっているということで慌てて行くと、夏休みということもあって殆ど品切れ状態・・・。なんとか冷凍のラム肉と玉ねぎ、焼きそばを購入。いやぁ、初日から失敗、シッパイ。
 テントを設営後、夕暮れの支笏湖でヴィッキーお待ちかねの水遊び。支笏湖の水は透き通っていて、長距離ドライブに付き合ってくれたヴィッキーも気持ちよさそうだった。夜は買ったラム肉とてっちんの実家から採ってきたピーマンやシシトウを使って、ちょっとメキシカンなジンギスカン鍋にして食べた。北海道初日の夜は、こうしてゆっくりと更けていきました。

やっと買ってもらったCOOL BOAD♪
首に保冷剤巻いて涼しさ2倍〜。
■ 8月2日(火) 晴れ ■
 ようやく8月になった。今年の夏は長い〜。1ヶ月くらい前倒しで夏がやってきたから、8月は割と早めに涼しくなるかなぁと思っていたのに、長期予報では残暑も厳しいらしい。やっぱり年々亜熱帯気候に近づいていってるな。そのうち、だんだん生物が巨大化していくに違いない。
 てっちんが出張でいないので、早朝ヴィッキーとふたりでオサンポしていたら、アスファルトの道路を一生懸命歩いているカブトムシ(♂)を発見した。ちっちゃいほうの角を捕まえてヴィッキーに見せたら、匂いを嗅ごうと突き出した鼻を、トゲトゲの足で突っつかれてくしゃみを連発していた。(笑)いた場所に戻したら車に引かれそうなので、近所の公園に連れて行ってクヌギの幹につかまらせてあげた。一日一善だ。
 あまりに暑い日が続くので、とうとうヴィッキーにCOOL BOADを買ってあげた。アルミ製の永久的に使えるやつだ。ちょっと値下がりしていたとはいえ15000円もした。でも、少しでも涼しくなるんだったらいいか〜。てっちんも「ヴィッキーは一生懸命稼いでるんだからいいじゃん。」って言ってたし。でも、一生懸命仕事してるのは私なんだけどな。
 このCOOL BOAD、1分に1度体温を下げると謳っているだけあって、足を乗せるとヒンヤリして気持ちがいい。ヴィッキーがこの上で寝ている時、体から離れた隅っこのほうを触ってみると少し温くなっている。ちゃんとヴィッキーの体温を奪って放熱しているんだな。ご苦労様。
 明日帰ってくる予定のてっちんから電話があって、急遽今日帰ってくるんだって。台風が接近してて一時はどうなることかと思ったけど、仕事は無事済んだらしい。ヨカッタ。これで、今夜も『美しき日々』の続きが見れるぞ〜。(?)